追記:2021.11.19祝!大谷選手が、アメリカンリーグのMVPに1位票満票で選ばれました!
【 #エンゼルス 】#大谷翔平 が2021年ア・リーグMVPを獲得しました!!おめでとうございます🎉 2001年 #イチロー 以来日本人では20年ぶり2人目の快挙です!!#日本人選手情報 pic.twitter.com/tFaPw1df4C
— MLB Japan (@MLBJapan) November 18, 2021
コロナの影響はまだまだ残っている2021年ですが、MLB(メジャーリーグベースボール)は2020年に60試合しか行われなかったのに対し、2021年は162試合開催と通常年と同じ試合数に戻りました。
2021年のMLBの試合は、日本だけではなくアメリカでも大谷翔平選手の活躍が大きな話題を呼びました。
特に、オールスター前の大谷選手の打撃面の活躍は素晴らしいものがありました。
印象的には、毎試合ホームランを打っていたのではないかと感じたほどです。
日本人だけではなく試合を見ている観客の殆どが、毎打席ホームランを期待していたのではないでしょうか?
少しだけ残念なのは、長いシーズンの疲労からなのか、大谷選手のオールスター以後の成績は本塁打数が激減してしまったことです
10月3日に行われたシーズン最終戦で、46本目のホームランを打ちましたが、オールスター前の前半戦では33本のホームランを打ったのに対し、オールスター後は13本と激減しています。
オールスター前の勢いでそのまま行くと、60本までホームラン数を伸ばすのではないかと期待されていたので、やはり2021オールスターゲームのホームランダービーで大振りした影響で、自分のバッティングに狂いが出てしまったのでしょうか?
目次
オールスターゲームのホームランダービーについて
2019年のホームラン競争に出場し準優勝したトロント・ブルージェイズのブラディミール・ゲレーロJr選手は、2021年の競争を辞退しています。
オールスターのホームラン競争のフルスイングが後遺症となり、オールスター後は調子を崩したからだと言われています。
今年のホームラン競争に出なかったおかげなのか、土壇場で大谷選手のホームラン数を抜いたゲレーロJr選手は、ロイヤルズのサルバドール・ペレス選手と並びホームランキングに輝いています。
「ホームランダービーの呪い」とも言われており、強打者で言うとニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手も今回のホームラン競争は辞退しています。
因みに、アーロン・ジャッジ選手は2017年のホームランダービーの優勝者ですが、出場したのはこの年だけです。
エンジェルスのチームメートで強打者でも知られるマイク・トラウト選手は、まだ一度もホームランダービーには出場していません。
2021年度のホームランダービー出場選手の、今シーズンの最終ホームラン数は下記になります。
◇優勝/ピート・アロンソ:37本
◆準優勝/トレイ・マンシーニ:21本
大谷翔平:46本
フアン・ソト:29本
トレバー・ストーリー:24本
サルバドール・ペレス:48本※
ジョーイ・ギャロ:38本
マット・オルソン:38本
2021年のホームランダービーの優勝者はピート・アロンソ選手で、彼は2019年(2020年のオールスターは中止)に続いて2連覇しています。
そのピート・アロンソ選手に1回戦で負けたカンザスシティ・ロイヤルズのサルバドール・ペレス選手が、大谷翔平選手を抜いてラディミール・ゲレーロJr選手とともに、2021年度のホームランキングに輝いています。
メジャー最強打者候補?
10月8日、MLBは、大谷翔平選手が最も優れた打者に送られる「ハンク・アーロン賞」の最終候補に選出されたと発表しました。
1974年4月4日、ハンク・アーロンは、これまでの通算本塁打記録714本というベーブ・ルースの記録に並び、4日後の4月8日に715号ホームランを打ち新記録を達成しています。
その後も1976年に引退するまでホームランを打ち続け、最終的に通算本塁打記録を755本まで伸ばしています。
この記録は、2007年8月7日に、バリー・ボンズが756本目のホームランを打ったことで抜かれてしまい、最終的にボンズ選手は記録を762本まで伸ばしています。
因みに、ハンク・アーロンは、薬物疑惑のあったバリー・ボンズの記念式典には出席していません。
そして、この世紀の大打者の名前が付けられた名誉ある賞の候補に、大谷選手が選出されたのです。
大谷翔平選手が所属するアメリカンリーグの最終候補者7人は、下記の通りです。(*はタイ順位)
名称/敬称略 チーム名 |
打率 | HR数 | 打点 | 盗塁 | OPS |
---|---|---|---|---|---|
セドリック・マリンズ オリオールズ |
.291/10位* | 30 | 59 | 30/2位* | 878/8位 |
ホセ・ラミレス インディアンス |
.266 | 36 | 103/9位 | 27/4位 | 893/6位 |
サルバドール・ペレス ロイヤルズ |
.273 | 48/1位 | 121/1位 | 1 | 859 |
大谷翔平 エンゼルス |
.257 | 46/3位 | 100 | 26/5位 | 965/2位 |
アーロン・ジャッジ ヤンキース |
.287 | 39/5位* | 98 | 6 | 916/4位 |
マット・オルソン アスレチックス |
.271 | 39/5位* | 111/5位* | 4 | 911/5位 |
ブラディミール・ゲレロJr ブルージェイズ |
.311/2位* | 48/1位* | 111/5位* | 4 | 1,002/1位 |
大谷翔平選手は、この名誉あるハンク・アーロン賞」の栄誉に輝くかどうか、その行方も気になります。
単純にバッティングの成績だけを比較すると、ホームランキング(タイ記録)に輝いた「ブラディミール・ゲレーロJr選手」が順当に選ばれるような気もしますが、この賞はファン投票により選出されるので、大谷選手が栄冠に輝く可能性は大です。
ベースボール・ダイジェストによる賞
MLBのMVPの行方が非常に気になるところですが、先日(10月7日)前哨戦とも言える米野球専門誌「ベースボール・ダイジェスト」による選考で、大谷翔平選手が野手部門の最優秀選手に選ばれています。
この賞は、記者/キャスター/元選手や監督ら19人による投票によって選ばれる賞で、大谷選手は16人から1位票を得て合計50ポイント、2位のゲレーロJr選手とは14ポイント差の圧勝だったそうです。
また、最優秀投手(先発)はドジャースのシャーザー選手が、最優秀救援投手にはブルワーズのヘイダー選手が選ばれています。
この賞は、アメリカンリーグ(AL)、ナショナルリーグ(NL)の両方で選ばれるわけではなく、MLB全体から選ばれる賞なので、かなり価値のある賞になります。
そして、アメリカンリーグのMLBライバルと言えるゲレーロ選手に大差をつけただけではなく、ナショナルリーグのMVP候補であるフィリーズのハーパー選手やナショナルズのソト選手らを抑えて受賞しています。
因みに、過去にアメリカンリーグから選ばれた(2014年と2019年の2度)同じエンジェルスのマイク・トラウト選手は、2度ともリーグMVPに選ばれています。
また、ゲレーロJr選手のお父さん「ブラディミール・ゲレーロ選手」も2004年度に選出されており、この年のリーグMVPのを受賞しています。
それ故、シーズンMVPの前哨戦とも言われる所以なのです。
MLB公式作成の大谷選手の動画
今年の8月6日に、MLB公式が異例の大谷翔平特集動画を配信しました。
かなりかっこいい動画に仕上がっています。
動画の題名は「The Gift」になります。
神様からの贈り物とでも言いたそうな動画です。
MLBのMVPはいつ発表される?
では、待望のシーズンMVPの発表はいつ行われるのでしょうか?
10月10日現在、2021年のシーズンも終わり各地区の優勝チーム、ワイルドカードに選出されるチームなど全てが出揃い、ポストシーズンが始まったばかりです。
これから、各リーグの優勝チームが決まり、そこからワールドシリーズが行われます。
予定で言うと、アメリカンリーグの優勝決定シリーズが終わるのが10月23日(日本時間24日)、ナショナルリーグは10月24日(同25日)に終わります。
ワールドシリーズが始まるのが10月26日(同27日)、最短で優勝チームが決まるのは10月30日(同31日)、最長で11月3日(同4日)にはワールドシリーズの優勝チームが決まります。
シーズンMVPが発表されるのは、このワールドシリーズが終わってからということになります。
因みに、2020年度のシーズンMVPは、日本時間11月13日(金)に発表されています。
ということで、2021年度のMVP発表は11月の中旬になりそうです。
大谷選手がMVPにあらバレる可能性は?
選手の評価を表す指標として、「WAR(Wins Above Replacement)」と呼ばれている物があります。
これは、セイバーメトリクスによる打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して選手の貢献度を表す指標で、「そのポジションの代替可能選手(Replacement)に比べてどれだけ勝利数を上積みしたか」を統計的に推計した指標だそうです。
ESPNによると、メジャーリーグ全選手の成績は下記の通りになります。
この指標は、ポジションに関わりなく、メジャーリーグ全ての選手の成績表なのです。
この非常に価値のある指標で、大谷選手はダントツ1位なんです。
順位 | 選手名(チーム名) | ポジション | WAR |
---|---|---|---|
1 | 大谷翔平(エンジェルス) | ビッチャー/DH | 9.0 |
2 | ザック・ウィーラー(フィリーズ) | ビッチャー | 7.8 |
3 | カルロス・コレア(アストロズ) | 遊撃手 | 7.2 |
4 | マーカス・セミエン(ブルージェイズ) | 内野手 | 7.1 |
5 | フアン・ソト(ナショナルズ) | 外野手 | 7.0 |
6 | ブラディミール・ゲレーロJr(ブルージェイズ) | 一塁手 | 6.8 |
7 | ウォーカー・ビューラー(ドジャーズ) | ビッチャー | 6.7 |
ホセ・ラミレス(インディアンス) | 内野手 | 6.7 | |
ロビー・レイ(ブルージェイズ) | ビッチャー | 6.7 | |
10 | フェルナンド・タティス・ジュニア(パドレス) | 遊撃手 | 6.6 |
11 | トレイ・ターナー(ドジャース) | 内野手 | 6.5 |
12 | イラー・オニール(カージナルス) | 外野手 | 6.3 |
この「WAR」がMVPに選出される指標の全てではありませんが、今年の彼の活躍を見れば、アメリカンリーグのMVPに選出される可能性はかなり高いのではないでしょうか?
大谷翔平選手の今シーズン記録一覧
MLB2021年シーズン、大谷翔平選手が成し遂げた数々の記録をまとめてみました。
大谷翔平選手の史上初の記録
今年の大谷選手の活躍から生まれた史上初の記録は、下記になります。
●打者として10本塁打、投手として100奪三振を同一シーズンに記録
●20盗塁&投手として10登板を同一シーズンに記録
●23先発のうち、20試合で打席に立つ/DH制の試合で、自身の登板間に3回以上打席に立った投手
●球宴に投手と野手両方の部門で選出
●45本塁打、8三塁打、25盗塁を達成
●打席数と対戦打者数の合計「1172」はメジャートップで、2005年のリバン・ヘルナンデスの「1162」を上回り今世紀最多
●138安打、103得点、100打点の打者3部門と、投球回130回 1/3、156奪三振の投手2部門
計5部門でクインティプル(quintuple/5重の)100を達成
(1919年のベーブ・ルースは、139安打、113打点、103得点、101四球の打4部門と、投の133回1/3と計5部門で達成)
●投打ダブルで150三振(打者として189三振、投手として156奪三振)
●ナ・リーグ本拠地試合で、先発投手が打順1~4番で出場
大谷翔平選手の打者&投手成績
大谷選手の打者としての成績は、下記になります。
◆打率:.257
◆出塁率:.372
◆長打率:.592
◆OPS:.965
◆本塁打数:46
◆打点数:100
◆盗塁数:26
また、打者として大谷選手がリーグ上位10傑入りした項目は、下記の10項目に及びます。
◇三塁打:8本/1位
◇長打:80本/2位
◇長打率:.592/2位
◇OPS:.965/2位
◇本塁打:46本/3位
◇四球:96/3位
◇塁打:318本/4位
◇盗塁:26/5位
◇出塁率:.372/5位
◇得点:103点/8位
大谷選手の投手としての成績は、下記になります。
◆投球回数:130回1/3
◆勝敗数:9勝2敗
◆防御率:3.18
◆奪三振数:156
さらに、投手としては、下記の通り打者を圧倒する武器の鋭さが光っています。
◇スプリットの被打率はわずか「.087」で、今季メジャー全体で最も低い(110打席以上)
◇スプリットでの奪三振数は、全体数の「48.5%」でメジャー最多
◇時速100マイル(約161キロ)に達するボールを11球以上投げた先発投手はア・リーグで4人だけ
◇本拠地での13先発は6勝0敗、防御率1.95、93奪三振
◇ホームゲームでの投手成績は、11試合の先発登板で6勝0敗・防御率1.99と、圧倒的な成績
大谷翔平選手の注目すべきその他の記録
また、その他に、下記のような大記録を達成しています。
●45本塁打+25盗塁は1998年のホセ・カンセコ(ブルージェイズ)以来
●45本塁打+8三塁打は殿堂入りの5選手(ベーブ・ルース、ルー・ゲーリッグ、ジョー・ディマジオ、ジミー・フォックス、ジム・ライス)以来
●45本塁打+25以上の盗塁+100得点以上は、ア・リーグ初
●40本塁打&20盗塁以上の記録は、球団初
●本塁打王に立っている間に、複数回先発登板した投手は1919年のベーブ・ルース以来
●打撃、走塁、守備、投球を総合しての貢献度を表わすWARにおいて、メジャー最高の「9.0」をマーク
●得点圏にランナーを置いた状態でのOPS(出塁率+超打率)は「1.555」で、ア・リーグのトップ
●時速110マイル(約177キロ)以上の本塁打25本は、今季メジャー最多
●日本人大リーガーのシーズン最多本塁打(これまでは松井秀喜が2004年に記録した31本)
●「DHでシーズン41本塁打」は、19年ツインズのネルソン・クルーズ(現レイズ)に並ぶ歴代4位
(上位3位は、06年レッドソックスのデビッド・オルティスの47本、05年オルティスと19年アスレチックスのクリス・デービスの43本)
●投手のポジションのみでプレーした2番打者は、118年ぶり
●オールスター前、外国人選手として98年ソーサに並ぶ最多本塁打タイ記録
●投手が20盗塁以上するのは、1892年のボブ・カラザーズ以来129年ぶり
●ホームでの本塁打数は、2000年のトロイ・グラースの24本を抜き最多
●開幕からホーム登板11試合で無敗&防御率1点台は、球団史上初
残念ながら、103年ぶりの「10勝&10発」は来年以降に持ち越しになりました。
まとめ
MLBは、10月に入りシーズンが終わりポストシーズンに突入しています。
今年のワールドシリーズの優勝チームが決まるまで、あと1ヶ月ほどに迫ってきています。
大谷選手が所属するエンジェルスは、アメリカンリーグ西地区の4位ということで残念ながらワイルドカード決定戦すら出場が叶いませんでした。
しかし、日本人の我々としては、ワールドシリーズよりも、その先のシーズンMVPの発表を心待ちにしているのではないでしょうか?
果たして、大谷選手は選ばれるのか?
選ばれるとしたら、どのような形(満票又は接戦)で選出されるのか?
発表が、非常に楽しみです。
おそらく、発表は11月中旬になりそうななので、それまで楽しみに待つことにしましょう。
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