秋の紅葉の季節が訪れ、その後段々寒くなって木の葉が散り始め、暖房が必要な時期になってくると、私達日本人が恋しくなる食べ物「鍋」の登場。
忘年会などにも欠かせない「鍋」ですが、一口に「鍋」と言っても、世の中には様々な「鍋」が存在します。
とにかく数え切れないほどの種類・料理法・素材を使った「鍋」が、全国各地に存在するのです。
我々日本人は、水炊きやすき焼きなどのごく一般的な鍋から、ちゃんこ鍋やモツ鍋、きりたんぽ鍋などの全国各地の郷土料理として知られている鍋だけではなく、チーズやトマト・ブイヤベースなどを取り入れた洋風鍋や、キムチ鍋やタイ風鍋まで、自分達の口にあうように上手に工夫をして、色々な鍋を生み出してきました。
目次
お薦めの鍋料理「カニ」
数え切れないほどの種類がある「鍋」の中でも、高級素材を使った「鍋物」として、年末が近づいてくると決まったように「カニ」の需要が高まってきます。
もちろん、「カニ」は「鍋物」の素材としてだけではなく、そのまま焼いたり茹でたりフライにしても楽しむことができます。
また、年末年始にかけてのパーティーや忘年会・お正月の集まり、友人同士や親戚一同での集まり、そしてお歳暮としても欠かせない食材となっています。
確かに、値段が高い食材にも関わらず当たり外れもありますが、この時期にしか会う機会もない友人や親戚などとわいわい言いながら、「カニ鍋」を囲んで和気あいあいと楽しむ時間を過ごすのも良いものです。
顔を合わせるとあれやこれやうるさい両親や親戚も、カニを食べ始めると静かになりますし、とにかく年末年始に一度はカニを食べるという方も多いかと思います。
カニの旬について
食卓にもよく並ぶ魚には、それぞれ旬があることはご存知だと思います。
以前、魚の旬についての記事も書きました。
魚は、一般的に脂が乗る時期が美味しい時期で、その時期を「旬」と呼びます。
では、はたして「カニの旬」とは、いつになるのでしょうか?
年末年始の季節になるとカニを食べる機会も多くなり、「カニの旬は冬」というのが定説になっています。
ところが、エビやカニの甲殻類は、実際には魚のように脂がのるわけではありません。
また、カニは種類などにより捕れる時期にも違いがあったり、輸入物なども多いため、一年を通してカニを楽しむことができます。
ということで、厳密に言うと「旬」ははっきりしないのです。
カニの種類や場所によって、厳しい漁獲制限等があり禁漁時期が決まっているので、捕獲できる時期が「旬」という事になります。
また、メスは一般的に産卵後は身が痩せており、産卵期には資源保護のために禁漁になることが多く、漁期もオスに比べると非常に短くなっています。
カニの種類について
日本で食べられているカニは、大きく分けて下記の4つに分類されています。
◆ズワイガニ
・日本近海でもよく捕れるカニで、水揚げされた地域によって名前が違う「ブランドガニ」が多く存在する。
・タラバガニに比べると少し小さめの甲羅を持っており、身は柔らかく旨味が強く甘みがあるのが特徴。
・大きめのオオズワイガニは日本近海にはほとんど生息しておらず、ロシアやカナダから輸入される。
・甲羅には黒いぶつぶつ「カニビル(海に住むヒルの一種の卵)」が付いていることがある。
・タラバガニとは違い、カニ味噌は濃厚で美味しい。
・カニしゃぶや刺し身などにすると美味しい。
◆タラバガニ
・名前に「カニ」と付いているが、生物学的にはヤドカリの仲間である。
・食用のカニの中でも大きい部類に入り、特に脚の部分に身が詰まっており、食べごたえがあるのが特徴。
・海水の温度が低いところに生息しており、オホーツク海やベーリング海が主な漁場となっている。
・日本でタラバガニが捕れるのは、寒い海に面している北海道だけであり、水揚げ量も少なく貴重で高値がつくことが多い。
・日本で流通している殆どのタラバガニは、ロシアやアメリカ・ノルウェーなどからの輸入物である。
・カニ味噌はほとんど無く、食べるのは脚がメイン。
・身はフリプリとした食感でどちらかと言えば味は淡白、脚に詰まった身を楽しむため、ボイルや焼きガニにすると美味しい。
・うまみ成分が逃げにくい「カニ鍋」もお薦め。
◆毛ガニ
・ズワイガニやタラバガニに比べるとサイズは小さめで、丸みを帯びており、メスのほうが膨らみが大きい。
・殻にぎっしりと短い毛が生えているのが特徴
・身がしっかりと詰まっており味には甘みがあり、シンプルに塩ゆでや蒸して食べると美味しい。
・一番の魅力はカニ味噌が美味しいことで、カニ味噌を味わうのなら毛ガニが一番。
・一番有名な産地は北海道で、オホーツク海と太平洋岸で味も水揚げの時期にも違いがある。
・次に有名な産地は岩手県で、「三陸毛ガニ」と呼ばれ小ぶりだが味が良く味噌が濃厚なのが特徴。
・毛ガニは産地により水揚げの時期に違いがあるため、ほぼ1年中楽しむことが出来る。
◆花咲ガニ
・タラバガニ科で、タラバガニと同じくハサミを除くと脚が3対しかなく、生物学的にはヤドカリの仲間である。
・北海道の根室(花咲)半島付近でしか収穫されず、漁獲量が少ないため幻のカニと言われている。
・生息地は、えりも岬から納沙布岬にかけての太平洋側の沿岸と、根室半島北側のオホーツク海の沿岸である。
・茹でると色は鮮やかな赤色、甲羅はハートを逆さまにした形で、脚は太めで肉厚、殻と脚にあるトゲトゲが特徴。
・名前の由来は、根室市の花咲港周辺で捕れるからという説の他に、加熱すると花が咲いたように真っ赤になるからという説もある。
・他のカニに比べると、身に弾力がありプリッとした食感をしている。
・味は濃厚で、良い出汁が出るため鍋物に向いており、肉厚なので焼きガニも美味しい。
・めったに市場に出ないメスは、オスに比べて身の詰まりが少ないが、卵(内子、外子)は濃厚な味わいで珍味として知られている。
・花咲ガニを使ったみそ汁のことは「鉄砲汁」と呼び、定番の調理法である。
・体全体にあるトゲは大きく硬いので、食べるときにはキッチンハサミや軍手が必要である。
・漁獲量の大半を占める根室市では、毎年7月~9月ごろに漁が解禁され、8月末には「かに祭り」が行われる。
・花咲ガニの産卵期は6月~7月までで、約6年で成熟する。
ズワイガニについて
ズワイガニの旬や種類、産地、ブランド蟹や食べ方などについては、下記にまとめてあります。
タラバガニについて
タラバガニの美味しい旬や産地、食べ方、解凍方法などについては、下記にまとめてあります。
毛ガニについて
毛ガニという名前からも想像できる通り、殻にはぎっしりと短い毛が生えているのが特徴の蟹です。
そして、毛ガニの一番の魅力は、カニ味噌が美味しいこと!
カニ味噌を味わうなら、毛ガニを食べるのが一番なんです。
また、タラバガニやズワイガニに比べると年間の水揚げ量が少ないため、希少価値が高く高価になりがちな蟹です。
毛ガニの産地について
毛ガニは、茨城県以北の太平洋岸からアラスカ沿岸まで、太平洋北西部の縁海に広く分布します。
そして、水深が150mより浅く水温が15度以下の底質砂か砂泥に生息しています。
日本での主な産地といえば、やはり北海道になります。
北海道では、オホーツク海と太平洋側に多く分布し、産地によって交尾や産卵の時期が違うため、それぞれの水揚げ港により漁期も違い、ほぼ1年中水揚げされています。
北海道外では岩手県でも捕獲されますが、水揚げされる毛ガニの殆どは北海道産になります。
毛ガニの旬について
毛ガニの旬に関してですが、産地により水揚げの時期に違いがあるため、ほぼ1年中楽しむことが出来るのです。
◇オホーツク海側(宗谷、枝幸、雄武、網走)
・海水の温度が低く、海産物の餌の植物性プランクトンが育ちやすいという環境なので、他の地域よりもサイズが大きい。
・オホーツク海側での毛ガニの旬は3~6月
*宗谷の漁期は、3月中旬~8月下旬
*枝幸町の漁期は、3月中旬~5月下旬
*雄武町の漁期は、3月下旬~7月下旬
*網走の漁期は、4月~8月頃
*羅臼の漁期は、4月~6月
◇太平洋側厚岸:2月~4月
・太平洋側厚岸産の毛ガニは大黒毛ガニと呼ばれる。
(床潭沖約4kmに浮かぶ大黒島周辺で取れる毛ガニ)
厚岸湾や大黒島周辺は暖流と寒流が混ざり合う海域で、大量のプランクトンが発生する豊かな漁場である。
*厚岸・浜中の漁期は、2~4月
◇太平洋側十勝・釧路沿岸:1月~3月頃、9月~12月頃
*広尾町・大樹・大津の漁期は、11月下旬~翌年1月下旬
*白糠町の漁期は、9月~12月頃
*釧路町の漁期は、2月~3月
◇太平洋側日高沖:12月~翌年4月
・太平洋側日高沖は良質な昆布の産地であり、このエリアで育つ毛ガニはその美味しい昆布や魚介類を食べて育つので、繊細で良質な味わいのカニ味噌で評判。
*えりも町の漁期は、12月~2月
◇太平洋側噴火湾(担振、長万部):6月~8月頃
・北海道道南エリアで捕れる毛ガニは、周辺の温泉から注ぎ込むミネラル成分の影響を受け、柔らかく繊細な身で濃厚な旨味の味噌を持つと評判。
*長万部の漁期は、6月中旬~下旬
*担振の漁期は、7月中旬~8月中旬
◇岩手県宮古市(三陸毛ガニ):12月~翌年3月
・毎年3月には「宮古毛ガニまつり」を開催
毛ガニの食べ方について
毛ガニのおすすめの食べ方は、下記になります。
・甲羅焼き(カニ味噌を堪能する最もおすすめな食べ方)
・シンプルに茹でる
冷凍物は茹でてあることが多いので、氷水解凍してそのまま食べると美味しい
・味噌汁にしても美味しい
やはり、毛ガニと言えばカニ味噌。
カニ味噌を堪能する料理が一番おすすめです!
花咲ガニについて
タラバガニ科の「花咲ガニ」は、タラバガニ同様に生物学的にはヤドカリの仲間になります。
名前の由来は、根室市の花咲港周辺で捕れるからだと言われています。
またその他にも、加熱すると花が咲いたように真っ赤になるから「花咲ガニ」と呼ばれると言う説もあります。
「花咲ガニ」は、茹でると体全体が鮮やかな赤色、甲羅はハートを逆さまにした形をしており、脚は太く身は肉厚で味は濃厚、殻と脚には無数のトゲトゲがあるのが特徴です。
花咲ガニの産地について
花咲ガニは、北海道の根室(花咲)半島付近でしか収穫されず、漁獲量が少ないため「幻のカニ」とも言われるカニです
。
身に弾力がありプリッとした食感を持ち、エビのような甘味とコクが評判の人気のカニです。
また、根室半島周辺は昆布の産地としても知られており、ミネラル分たっぷりのそれらの昆布を栄養分として食べている花咲ガニは、別名「コンブガニ」とも呼ばれています。
花咲ガニの旬について
希少な花咲ガニは、乱獲を防ぐために毎年産地周辺の漁協にて、下記のように漁期が決められています。
この漁期の時期が、いわゆる「花咲ガニの旬」ということになります。
◇釧路:3月下旬/4月~7月中旬
◇根室:7月~9月
漁獲量の大半を占める根室市では、毎年7月~9月ごろに漁が解禁され、8月末には「かに祭り」が行われています。。
また、花咲ガニの産卵期は6月~7月までで、孵化後約6年で成熟すると言われています。
花咲ガニの食べ方について
花咲ガニのおすすめの食べ方は、下記になります。
・オーソドックスに茹でて食べるのが美味しい。
・味は濃厚で、良い出汁が出るので鍋物に向いている
・肉厚なので焼きガニも美味しい。
・花咲ガニを使ったみそ汁のことは「鉄砲汁」と呼び、定番の調理法である。
花咲ガニは、味が濃厚で、良い出汁が出るため鍋物に向いており、肉厚でプリッとして食感なので焼いて食べても美味しいカニです。
通販やお取り寄せで人気のカニについて:まとめ
日本の冬の風物詩として欠かせない「蟹」
美味しい旬は冬だけだと思いきや、種類や水揚げされる港によって、一年中楽しむことができます。
ですが、やはりこたつを囲んで家族みんなでカニ鍋を食べるとなると、やはり冬場に楽しむのが一番のような気がします。
こちらのページでは、美味しいカニの種類やブランド、それぞれのカニの特徴や食べ方など説明してきました。
通販やお取り寄せ、最近ではふるさと納税の返礼品としてもカニは非常に人気があります。
ご自分の好みに合ったカニを見つけるのに、こちらの情報をご参考にしてください!
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