まだ高校を卒業したばかりの若い人は別ですが、長い人生の中で引っ越しを全く経験したことのない人は、あまりいないはずです。
そんな引越しに対する心構えを考察した上で、必ず行わなければならない作業や必要な手続き/届け出のことを、時系列ごとにまとめてみました。
目次
引越しには前向きな心構えが必要!
まず、引越しの際の気持ちを考えてみました。
引越しの事を考えて、楽しいか?面倒くさいか?
と聞かれたら、微妙ですよね?
引越しの作業自体は関しては、大抵の方が面倒くさいと感じていると思いますが…
多分その人の置かれた状況によっても、引越しに対しての感じ方は違ってくると思います。
仕事で栄転になり、引っ越す事になった人、
結婚する為に新居に引っ越すカップル、
新居を立てて引っ越す人、
希望した大学に受かり、上京し始めて1人暮らしをする人、など等
当然、これらの人は、楽しくてしようがないでしょうね…
反対に、自分が意図したわけではないのに、引っ越さざるをえない人、
例えば、
会社の状況が厳しくリストラが始まり、その影響で地方の関連会社に飛ばされた。
給料も上がらずボーナスが激減し、家のローンが払えなくなり泣く泣く自宅を手放した。
会社の状況も、自分自身の仕事にも満足していたが、家庭の事情で田舎に帰る事になった。
など等
当然、これらの人は、引越しに対して、憂鬱な気持ちの方が勝っているのではないでしょうか?
このように、引越しという言葉を聞いて、
新しい生活が始まるから楽しみだ!
汚れがついていない綺麗な部屋での生活が待ち遠しい!
と、前向きな思いを抱く人もいれば
荷造りと荷解きのことを考えると憂鬱!
様々な届け出の事を考えると頭が痛い!
と、ネガティブな事しか思いつかない人もいるでしょう。
また、引越しが楽しいか面倒くさいと思うかとは全く関係がなく、ただ単に引越しすることが大嫌いな人もいるでしょう。
このように、自分の置かれた状況によって、引越しに対する気持ちや思いは随分違ってきます。
では、引越しに対してどのような心構えでいた方が良いのでしょう?
新居を探しに行って、凄く気に入った家を見つけた。
捨てたくても捨てきれなかった不用品を、一気に処分してすっきりした。
新しい友達ができそう。
思っていたより、周りの環境がいい。
古い生活臭の染み付いた家から、新鮮な臭いの新居に住める。
新しい生活雑貨を一気に揃えて、気分が一新できた。
など等
自分なりに、良い方向に向くように、前向きな心構えを持つのが一番です。
もし、自分が全く意図していないのに引越しする必要がある場合でも、ポジティブに考えた方が気持ちの上で楽になれます。
どうせ引越しから逃れられないのなら、引越しに対しても明るく前向きに考えることで、面倒くさい引越しの中にも楽しみを見つけることができるはずです、
引越しの手順や引越しに伴う必要な手続きについて
まず、引越しを決めたら、
○新居探し
この区域は、子供にとっていい環境なのか…
いい部屋だけど、駅からちょっと遠いな~
すごく気にいったけど、周辺にスーパーがコンビニが少ない…
最高の部屋だけど、予算オーバーなので住むのは大変…
最高の環境だけど、会社への通勤が大変だ…
などなど、悩みながらも、この時期が一番楽しい時期かもしれませんね…
引っ越しの準備としては、まず自分でやるべき事などのリストを作って、一つずつチェックをしていかないと、後で非常に困ることもあるかもしれません。
そこで、時系列ごとにやるべき事などをまとめてみました。
引越し前1~2ヶ月前に行う事
◇現在住んでいる住宅の解約
賃貸住宅に住んでいる方は、賃貸契約を解約する必要があります。
解約の申し出は通常1ヶ月前ですが、契約により2ヶ月前に必要な場合があるので、前もって確認する
◇引越し日程
新居が決まったら、引越し日程を決定する。
◇引越し業者への見積もり
引越しが決まったら、少なくとも1ヶ月前には依頼する必要があります。
年度末の3月には引越しが集中するので、できれば2~3ヶ月前に依頼しないとスケジュールが調整できない事があります。
◇資材集め/荷造り
引越しが決まったら、まず資材集めを行います。
そして、緊急性の低い物から少しずつでも荷造りを始めた方がよいでしょう。
本・余分な食器や衣類などは、早めに始めておきましょう。
◇ネット関連の手続き
引越しが集中する季節は、インターネットの回線工事も集中します。
少なくとも1ヶ月前には申し込む必要があります。
電話も合わせて契約している場合、同時に手続きを行います。
◇粗大ごみの収集予約
これは意外と盲点なんですが、引越しシーズンではない季節でも、粗大ごみの収集車のスケジュールは混んでいます。
希望日が空いていないと。捨てられずに一旦引越し先に運んでから捨てる対応になることもあります。
引越しのシーズンは、場所によっては1~2ヶ月前から日程が埋まることがあるので、出来るだけ早めに日程は押さえておきましょう。
また、売却可能の品物は、リサイクルショップなどに見積りをお願いするのも、節約の一つの方法です。
◇新居の状況
引越作業などの為に、下調べが必要になります。
例えば、
・トラックが通るための道幅や駐車場所
・エレベーターの有無
・新居の間取り
・大型電気製品や大型家具を設置する場所やコンセントなどのチェック
(新しく購入する場合は、設置場所のサイズも測る必要があります)
・収納スペース
・同様に、カーテンや絨毯などを新しく購入する場合は、サイズを測っておきます。
引越し前1~2週間前に行う事
◇転居はがきの用意
引越しから大体1ヶ月を目安に、引っ越しの挨拶状を出します。
年末年始に重なる場合、年賀状に「引っ越ししました」と一筆入れるのも一つの方法です。
◇転校の手続き
公立小学校の天候の場合、役所での手続きや現在通っている学校での手続きが必要になります。
市立や高校の転校の場合、編入試験なども必要になるので、早めに問い合わせを行い準備する必要があります。
◇住所の転出届け
引越しの1~2週間前には、役所へ転出届を提出して転出証明書を受け取る必要があります。
転出証明書は、引越し先の役所に転入届を出すときに必要になります。
◇国民健康保険の手続き
国民健康保険に加入している場合、引越し先で加入し直すために、現住所での資格喪失の手続きが必要になります。
上記の転出届の手続きと一緒に手続きをすれば効率的です。
◇印鑑登録などの届け
他の市区町村へ引越しをする場合、印鑑登録の廃棄手続きが必要です。
(転出届と同時に、自動的に印鑑登録が廃止される自治体もあります。)
引越し先で、改めて印鑑登録が必要です。
◇児童手当の受給事由消滅の届け出
現在児童手当を受給している場合、役所で児童手当受給事由消滅届けの提出が必要です。
引越し先では、前年度の住民税の課税証明書又は所得証明書が必要になるので、役所で発行してもらいます。
もし同じ市区町村内で引っ越す場合は、住所変更の手続きを行えば大丈夫です。
◇ガスや電気・水道の届け
電気・ガス・水道の使用停止の申込みを行い、出来れば引越し当日の停止立ち会いの時間を調整します。
引越し先でのガス開栓の立ち会いもあるので、引越し先のガス会社へ連絡をして立ち会い時間を決めておきます。
新居の場合は、不動産会社が代行してくれる場合も多いです。
◇郵便転送の届け
郵便局の窓口に転居届けを提出すると、現住所へ届いた郵便物も1年間は転送してもらえます。
届け出には、運転免許証などの現住所を確認するための書類が必要になります。
◇NHKへの届け出
NHKの住所変更は、ウェブサイトでの申し込むことも可能ですし、電話連絡でも可能です。
◇固定電話/携帯電話の住所変更
ウェブサイト又は電話/店舗にて、住所変更の手続を行います。
◇新聞の解約
これも忘れがちですが、新聞専売所に引越しの日時を連絡しましょう。
引越し前日に「旧住所」で行うこと
◇冷蔵庫の準備
冷蔵庫のコンセントは抜き、水抜きや掃除などは済ませておく。
・冷凍庫の中身などは、なるべく逆算して使い切る方がベターですが、クール便などを利用して前日に発送するという方法もあります。
冷蔵庫の中身などは、クーラーボックスを利用する人が多いですね。
※因みに、冷蔵庫は新居先ですぐにコンセントをつなぐと故障の原因になります。
少なくとも1時間ぐらいは設置場所に固定しておいてから、コンセントをつなぐ。
理由は、コンプレッサー内の液体が引越しの持ち運びや移動の際に、冷却システムの配管などに逆流する場合があり、その液体が落ち着く前に電源を入れると故障の原因になるそうです。
◇テレビ・音響機器などの配線
引越し先でも、直ぐわかるように外してまとめておく。
◇パソコン関連
いざという事の為に、パソコンのデータ等はバックアップしておきましょう。
◇引越荷物に含めない荷物
引越当日にすぐ使うもの・貴重品などは、別に分けてまとめておきましょう。
引越し当日に「旧住所」で行うこと
◇ガスや電気・水道の使用停止の立ち会い
ガスや電気・水道の使用停止立ち会いを行い、料金の精算を行います。
引越し当日にスケジュールが合わなかった場合、後日改めて立ち会いを行います。
◇大家さん/不動産屋さんへ明け渡し
賃貸住宅に住んでいる場合、引越し作業が終わり次第、室内状況の確認をしてもらい鍵を返却します。
当日に先方とのスケジュール調整がつかなかった場合、後日改めて行います。
引越し当日に「新居」で行うこと
◇電気・水道の使用を開始
電気や水道の場合、自身で使用開始の作業を行うことができます。
仕様が可能なことを確認したら、電気使用申込書/水道使用開始申込書に記入の上投函、又はウェブ上で使用開始手続きを行います。
◇ガス開栓の立ち会い
ガスは水道などと違い危険なので、ガス機器を設置した上で、ガス会社から派遣された係員による開栓に立ち会う必要があります。
引越し前に、新居のガス会社へ連絡し、立ち会いの予約が必要です。
引越し後に行うこと
◇転入届/転居届の提出
同じ市区町村内での引越しでは転居届の提出、違う市区町村への引越しでは転入届けが必要になります。
◇国民健康保険への加入手続き
国民健康保険を利用している場合、引越しから14日以内に、新住所の役所にて国民健康保険の加入の手続きが必要になります。
◇マイナンバーの住所変更
引越しから14日以内に、新住所の役所にてマイナンバーの住所変更手続きが必要になります。
◇国民年金の住所変更
引越しから14日以内に、新住所の役所にて国民年金の住所変更手続きが必要になります。
マイナンバーと基礎年金番号が結びついている被保険者の場合、原則住所変更に関する届出は不要です。
健康保険(協会けんぽ)/厚生年金保険に加入中の方については、会社の総務の方へ申し出て下さい。。
◇印鑑登録
他の市区町村へ引っ越しした場合、新たに印鑑登録を行う必要があります。
◇児童手当の手続き
引っ越ししてから15日以内に、新住所の役所にて児童手当の認定申請が必要になります。
旧住所で発行した課税証明書又は所得証明書がが必要になります。
その他に、印鑑・銀行口座番号・厚生年金又は国民年金の記号/番号が必要になります。
◇銀行口座/クレジットカードの住所変更
住所変更は、通常ウェブサイト/窓口/郵送から手続きを行いますが、銀行/クレジットカード会社ごとに異なるため、前もって確認が必要です。
◇運転免許証の変更届
新住所管轄の警察署又は運転免許試験場で、運転免許証記載事項変更届の提出が必要になります。
新住所の住民票が必要になるため、先に役所での転入届けを済ませてから行います。
免許証の作り直しではなく、免許証の裏側に追記されるだけになります。
◇自動車の登録変更
引っ越ししてから15日以内に、新住所管轄の運輸局で住所の変更を行います。
必要な物は、自動車検査証(車検証)、自動車保管場所証明書(車庫証明)、新住所の住民票、印鑑などになります。
管轄の運輸局が変わる場合は、ナンバープレート変更のために、自動車を持ち込む必要があります。
◇転入学届の提出
公立の小中学校の場合、新住所の教育委員会に転入学届を提出して、転入学通知書を発行してもらいます。
前の学校からもらった在学証明書/教科用図書給与証明書を、転入学通知書とあわせて新しい学校へ提出します。
私立や高校の場合、それぞれ手続きが異なるため、ご自分で確認する必要があります。
◇パスポートの変更手続き
基本的に、住所を変更しただけでは手続きは必要ないため、所持人記入欄に自分で訂正記入します。
但し、結婚での引越しで姓が変わった方、本籍地の都道府県を変更した方は、新住所での旅券課で手続きが必要になります。
◇犬を飼っている人の手続き
違う市区町村から転入した場合:旧居で交付された鑑札を持参の上、新住所の役所で住所変更及び鑑札交換の手続きが必要です。
同じ市区町村から引越した場合:上記と同様に、登録住所の変更手続きが必要です。
単身ならまだしも、お子様がいらっしゃった場合、子供の学校の転校・転入届けも必要になります。
子供が塾に通っていたら、近所に最適な塾があるかどうかも前もって探す必要もあります。
また、いざという時の病院・歯医者や、公園や交番の場所までも一応チェックする必要があるし…
ざっと考えただけでも、こんなにありますね…
まとめ:引越しの手順や引越しに伴う必要な手続き
新しい土地で、一から新しい自分を作り上げていける。
新しい友だちを見つけ、新しい行きつけのお店を見つけ、まっさらの新しい家での生活が始まる。
そう考えれば、面倒くさい引越しも楽しみに変えることができます。
どうせ逃れられないのなら、前向きに考えましょう。
自分にとって、何かきっと楽しい出来事や新しい発見に繋がるはずです。
そう信じましょう!
さて、引越し先と時期が決まったら、上記に書いたような事柄を記入したシートを作成し、プリントアウトしておきましょう。
・引越し1~2か月前に行う事
・引越し1~2週間前ぐらいまでに行う事
・引越し前日に行うこと(旧住所)
・引越し当日に行うこと(旧住所)
・引越し当日に行うこと(新居)
・引越し後に行う事について
これらの3つのスケジュールに従って、終わったらチェックしていくという作業を行えば、大事なことも漏れがなく、気持ちよく新生活が初められます。
「面倒くさい」と思うかも知れませんが、役所や学校・金融機関に関することなどを忘れていると、後でもっと面倒くさい事態になることもあります。
引越しは、準備が一番大事です。