新型コロナウイルス騒動の影響はいろんな業種にも影響を与えているようです。
一番影響を受けているのは、ニュースでもよく取り上げられているホテル・航空会社などの旅行関連の業種です。
その他にも、サービス業・製造業・イベント業界・小売業など、様々な業種・職種に及んでいます
中国から始まったこともあり、インバウンド需要に頼っていた業種は大打撃を受け、これからは消費低迷やイベントの自粛などで内需型企業への影響も大きくなりそうです。
新型コロナの影響で便器が作れない?
上記にもあるように、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、様々な業種が影響を受けていますが、あまり関係がないような業種も大きな影響を受けていました。
それは、住宅業界です。
特に、トイレやキッチンなどを製造する住宅設備メーカーは、製造が進まず長期間の納期延長を余儀なくされています。
というのは、便器などを製造するために、部品到達を中国に依存していた関係上、中国での新型コロナウイルス感染が拡大するにつれ、その部品の調達がままならない状況に陥っているからです。
現在の問題の流れは下記になります。
- 中国での感染拡大で工場が操業停止
- 中国で部品の製造ができない
- 中国からの部品の調達が出来ない
- 部品がないので日本の工場での便器の製造ができない
- 商品の受注停止や納期の遅れが進む
- 住宅の受け渡しができない
ウォシュレットの納期も遅れている?
NHK(3月3日のニュース)によると、ウォシュレットの製造&納期が遅れているようです。
新型コロナウイルスの感染拡大で住宅業界にも大きな影響が出ています。
トイレやキッチンなどを生産する住宅設備メーカーでは、中国から部品の調達が難しくなっていることから商品の受注停止や納期の遅れが相次いでいます。
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NHKがTOTOやLIXILなど住宅設備メーカー10社に取材したところ、2日時点でほとんどの会社で受注の停止や納期の遅れが出ているということです。
このうちTOTOは、温水洗浄付きのトイレについて、先月中旬から受注を停止していてすでに在庫がある分の注文しか対応できないということです。
出典元:「NHK News Web」
小さな部品の調達ができないことで、住宅設備のメーカーさんだけではなく、建設会社や不動産会社まで様々な関係業者にまで影響が出てくるとは、何とも皮肉な話ですね…?
国土交通省からの通達
このように住宅設備の納品が滞っている状況に対し、国土交通省は令和2年2月27日、各自治体の担当者に対して通達を出しています。
出典元:「国土交通省pdf」
国土交通省の通達によると、製造の遅れはトイレだけではなく、システムキッチンやユニットバスなど多岐に渡るようです。
通達の内容は、トイレやシステムキッチンなどの住宅設備が未設置の状態でも、今回の特例として、建物の完了検査を行って下さいということになります。
国土交通省の狙いは、下記の流れによる建築業者の資金繰りの悪化による倒産を防ぎたいものと思われます。
- トイレやシステムキッチンが設置できない
- 建物の完了検査が出来ない
- 建物の受け渡しが出来ず、代金の回収もできない
- 建築業者の資金繰りが悪化する
しかし、完了検査を通したとしても、トイレやシステムキッチンがない状態で、建築主は建物を引き取って代金を支払うのでしょうか?
また、トイレやシステムキッチンがない状態で、住みたいという人はいるのでしょうか?
個人が住宅ローンの控除を受ける場合、中古物件などは売買契約を結んでから6ヶ月以内に入居する必要がありますが、このような方はトイレなどの設置が遅れたとしてもがまんして入居するかもしれません。
ですが、アパート経営を行っている大家さんなどの場合、住宅設備なしでも入居者を集められるのかというと、難しいのではないでしょうか?
国土交通省の狙いはわかりますが、効果があるのかどうかは、ちょっと判断がつきかねます。
まとめ
新型コロナウイルスの影響で、インバウンド需要に頼っていた業種は大打撃を受け、これからも様々な業種に影響が出てきて、日本経済の先行きも心配されます。
中国の工場の操業停止によって部品の調達ができず、日本が誇るウォシュレットの製造もストップするなど、思っても見なかったところにも影響が出てきています。
オリンピックの開催も予定されている日本に住む一国民としては、いち早い収束を願うのみです。