東京に緊急事態宣言が発令されて初めての土曜日ですが、駅前のスーパーに恐る恐る買い出しにでかけたら、結構人が出歩いています…
公演も通りかかりましたが、家族連れも多く、走っている人もいる。
普段の土曜日と何ら変わらない…
強制力のない緊急事態宣言、本当に効き目があるのでしょうか?
おまわりさんによるパトロールでもやらないと、多分緊張感ゼロです。
ところで、ツイッター上に「8割おじさん」というキーワードが溢れており、気になったので調べてみました。
8割おじさんって何?誰?
新型コロナウイルスの感染が拡大しているので、感染した患者さんは8割がおじさんという意味かと思いました。
全然違いました。
8割おじさんは誰かと言うと、北海道大学社会医学分野教授「西浦博」さんだというのがわかりました。
西浦博教授は、これまで全国の感染データを分析してきた、厚生労働省のクラスター対策班の方だそうです。
【「8割おじさん」流行止める根拠】https://t.co/LO35PrEi2q
人との接触を8割減らすことが流行を収めるために必要だ――。厚生労働省のクラスター対策班の北海道大学社会医学分野教授、西浦博さんはそう示してきた。8割減の根拠は何なのか。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) April 11, 2020
この8割おじさんこと「西浦博教授」ですが、サイエンス誌でも、「80% uncle」と直訳されています。
なぜ8割おじさん?
では、西浦博教授は、なぜ8割おじさんと言われているのでしょう?
どうやら、西浦博教授は、ご自分で「8割おじさん」と名乗っているみたいです。
なぜご自分で?
名付け親は、政府から宣言を諮問される諮問委員会に入っている「東北大の押谷仁先生」だそうです。
これは、安倍総理が出した緊急事態宣言に由来します。
安倍総理は、4月7日の会見で「(人との接触を)7割から8割の削減を目指し、外出自粛をお願いいたします」と話していました。
西浦博教授は、3月の初めから「8割減」という数字を主張し続けているそうです。
「接触を断つことで、感染の流行は止まる。」ともおっしゃっています。
3月の初めに、大臣室で「何%減らないといけないの?」と聞かれた際に、「計算上は明確に8割減なんです」と伝えたら、皆さんに苦笑されたと「BuzzFeed」のインタビューで答えています。
なぜ8割減を強調?
こちらで、西浦博教授が「なぜ8割の行動制限が必要なのか」という事を説明しています。
【なぜ8割の行動制限が必要なのか】
北海道大学 西浦 博より解説します。
行動制限する人(p)の割合を、欧米の例を参考にR0(基本再生産数)と Re (実効再生産数)から導き出すと6割です。
なぜ8割としたかを解説しています。#新型コロナクラスター対策ゼミ pic.twitter.com/I6uRw4u6ri
— 新型コロナクラスター対策専門家 (@ClusterJapan) April 7, 2020
行動制限する人の割合を、欧米の例を参考に数式から導き出すと、人との接触を60%制限すれば感染拡大を収めることができるそうです。
ですが、日本の場合、接触を制限する方法は、強制ではなく要請ベースで行われています。
要請ベースなので、どれだけ制限を求めても、介入しきれないケースが出てきます。
人の行動に介入するのは、一つの数式の計算だけではカバーできないそうです。
そこで、西浦博教授はそのような「介入しきれないケース」を加味し、二次感染が起こる再生産数を詳しく検討したそうです。
大雑把に60%に20%を上乗せしたわけではなく、色々なケースを想定しながら、正確に積み上げた数値を出したそうです。
そこから導かれたのは、正確に言うと「79%」という数字だったそうです。
朝日新聞は、『「接触7~8割削減」の根拠は? 厳密には6割だけ」と…』というタイトルで、西浦博教授が計算したと報道しています。
SNSには、「何だ6割でいいのか」という声も聞かれ、誤解が拡がっているとも言います。
しかし、西浦博教授は、「厳密には6割だけど」とは言ってもいないし、朝日新聞から取材も受けていない、「東京都との会見を曲解されたのかも知れない」と反論しています。
本当は vs 厳密には
📝西浦博・北大教授「本当は60%を制限すれば間に合うんですけど…」 https://t.co/vUc5ZUoJdW
↓
📝朝日新聞「厳密には6割だけど…」 https://t.co/ozy7TvlW6E
↓
📝西浦博・北大教授「”厳密には6割だけど”なんてこと、決して言っておりません」 https://t.co/zLg1HBoq2E— smcGO (@SMC_Osaka) April 10, 2020
「厳密には6割だけど」なんて言っていないし取材も受けていないと西浦教授がツイッターで反論。朝日新聞はTwitterでの発言に基づくというなら引用元を示すべきだろう。最悪だ。
「接触7~8割削減」の根拠は? 厳密には6割だけど…:朝日新聞デジタル https://t.co/91bXN0MJwO #新型コロナウイルス— 宮内 健(Miyauchi Ken) (@mkenzow) April 10, 2020
この件がツイッターで騒ぎになり、いつの間にか朝日新聞はタイトルを変更しています。
また、安倍首相が発表したのは「7割~8割」「最低でも7割、極力8割の接触を削減する」というものですが、西浦博教授によると、この「7割」と言う数字も政治家が勝手に言っていることで、西浦博教授は一切言及したことがなく「あくまでも8割」が西浦博教授の主張だということです。
この7割は政治側が勝手に言っていることで、私は一切言及したことがありません。 https://t.co/9w5xXCRgDt
— Hiroshi Nishiura (@nishiurah) April 10, 2020
まとめ:自分の事を過信してはダメ
物事の捉え方・受け取り方は、相手によって違うことが往々にしてあります。
特にマスコミは、勝手に解釈して報道することも多いです。
その報道は、SNSを通してあっという間に広まります。
ですが、疑問点をつかれることで、それが意図しない発言だったり曲解された発言であることがわかると、一気に叩かれます。
間違った情報や噂が広まるのは当事者にとって最悪なことで、ネットの世界では一度世の中に放たれると、半永久的にネット上に残ってしまいます。
マスコミも十分注意しているとは思いますが、スピードが全ての現代では、確認が不十分で見切り発車で情報が放たれることも多いです。
情報を発信している自分も他人事とは言えないので、充分に注意はしていますが、人間というものは時に過信した行動をとりがちです。
今日の駅前の人の多さにも驚きましたが、今でもほとんどの人が「かなり心配はしているけど、自分は多分大丈夫!」だと過信している人が多いように思われます。
人のことは言えませんが、個人的にも人との接触を避ければ何とか感染は避けられるだろうと考えがちなので、これは多分危険な考えなんですね…?
スーパーなどでも、知り合いと立ち話をしている人も多いですし、仮にその人が感染者で周りに菌をばらまいていたら…?
仮にその菌が販売している商品に飛び散っていたら?
基本的に菌は見えないので、不可抗力を避けて通ることは出来ません。
ということは、どこにでも危険は潜んでいるということです。
「自分は大丈夫」などと、過信しちゃダメだということですよね?
東京では、「1日の感染者数が過去最高」という報道が連日ありますが、毎回過去最高の記録を更新しており、抜本的に外出自粛などの対応を強化しないと、ネズミ算式に増えそうな勢いです。
個人的にも「自分は絶対に大丈夫だ」と過信せずに、最悪の状況も想定した上で細心の注意を払いながら、新型コロナウイルスの危険性に対応していきたいと思う今日このごろです。