3月4日のニュースで、NHKに関する気になる情報を日本経済新聞 電子版が報じています。
2割弱の世帯が不払いで、未契約者の訪問など徴収に年800億円かかる――。ネット配信も始まったNHKの受信料制度を見直す議論が始まります。テレビの有無にかかわらず全世帯が負担する仕組みも検討します。https://t.co/cvnxW1o7c5
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) March 4, 2020
3月6日のニュースでは、この報道に対して各報道機関が疑問点を報じています。
4日、一部新聞紙上で総務省がNHKの受信料について、「テレビの有無にかかわらず全世帯が負担する仕組みも検討する」と報じられ、怒りの声が噴出している。
これは日本経済新聞が報じたもので、それによると総務省が有識者会議を立ち上げ、テレビを設置している世帯のみ受信料を支払う現在の方式について問題を挙げた上で、テレビの有無にかかわらず全世帯がNHKの受信料を支払うような「ドイツ方式」を検討するという。
出典元:「niftyニュース 2020年3月6日付」
目次
2015年にもこの問題は提起されている?
今回、上記のような情報が出ましたが、実は以前にも見たことがあるような気がしたので、ネットでチェックしてみました。
そうすると、この全世帯対象の受信賞負担の件に関しては、既に5年も前に報道されています。
総務省はNHKの受信料制度の見直しに着手する。
NHKのインターネットサービスの拡大を踏まえてテレビのない世帯からも料金を徴収する検討を始める。
パソコンなどネット端末を持つ世帯に納付義務を課す案のほか、テレビの有無にかかわらず全世帯から取る案も浮上している。
出典元:「日本経済新聞 2015年2月26日付」
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当時は、あまりにも批判が多かったので、取り敢えずこの案を引っ込め、時期が来たとばかりにまたこの件を持ち出したのでしょうか?
2015年のニュースの際には、受信料徴収にマイナンバーを活用することも考えているとの情報もありました。
NHKは、全世帯から徴収するドイツ方式を目指していると言われています。
ドイツでは、2013年より、受信機の有無に関わらず全ての世帯・事業所から徴収する放送負担金制度に移行しています。
NHKは国営放送ではない
NHKは受信料を強制的に徴収しているせいで、NHKの事を国営放送だと思っている人は多いような気がします。
国営放送とは、国家の強い管理下で行う放送の事を言います。
NHKは、国営放送ではなく公共放送です。
他のテレビ局と何が違うのかというと、TBSなどのその他のテレビ局は、民間放送になります。
では、民間放送と公共放送の違いは何かというと、営利を目的として行う放送は民間放送、営利を目的としない放送が公共放送ということになります。
NHKによると、公共放送とは営利を目的とせず、国家の統制からも自立して、公共の福祉のために行う放送の事をいうと、自らを定義しています。
そして、政府から独立して受信料によって運営され、公共の福祉と文化の向上に寄与することを目的に設立された公共放送事業体であると、自らの立場を述べています。
なぜNHKの受信料を払いたくない人が多いのか?
個人的には、NHKの受信料を払っています。
しかし、納得しているかというと、全く納得していません。
というのは、NHKを殆ど見ないからです。
朝のテレビ番組や大河ドラマは勿論、紅白などは全く興味がありません。
多分1年間にNHKを見る時間は、2時間もありません。
去年は、記憶にある限り、一度もNHKを見ていません。
最近はブログのために見るようにしていますが、基本的には民放自体もあまり見ないので、見るのは洋画や海外ドラマを見るためにケーブルテレビや動画配信、YouTubeなどを利用するぐらいです。
ニュースなどはネットで充分ですし、民放のバラエティ化したニュースもあまり見る気はしません。
多分、同じような考えの人も多いのではないでしょうか?
特に若い人は、テレビ番組すら見ずに、もっぱらYouTubeを見ているという人が多いと思います。
で、なぜNHKの受信料を払いたくない人が多いのか?
それは、「NHKを見る」という事に、必要性を感じてないからです。
見ないのに、受信料を払うのは納得がいかないからです。
若い人でも、必要性のあることにはお金を払うことに躊躇しないと思います。
というのは、HuluやU-NEXT、Netflixなどの視聴者数は年々右肩上がりだからです。
このようなチャンネルは、お金がかかっても見たいという人が多いのです。
また受信料を取るくせに、NHKの給料が高すぎると文句を言う人も多いです。
因みに2018年の局員の平均年収は1,125万円だそうです。
受信料を値上げする前に給料を下げろと思っている人も多いです。
これらの内部問題を解決しないのに、受信料を払えという事に納得していないのです。
NHKの形態を変えるわけにはいかないのか?
以前から思っていたことですが、NHKはこれまでの役目を終えて、形態を変えたら良いのではないか?ということです。
例えば、NHKの分割とか…
公共放送というNHKの立場は、非常にわかりにくいです。
これが受信料という問題を複雑に、そしてわかりにくくしている元凶だと考えます
一方はニュースや災害情報などばかり流す「国営放送」にして、バラエティ部門は「民間放送」へと、NHKを分割すれば良いのではないかと、以前考えたことがあります。
そして「国営放送」は健康保険や国民年金と同じように、税金化してしまえば良いのです。
ドラマなどを作らないので、制作費は少なくなるはずです。
制作費が少なくなれば、人員も減らせるし、そうすれば受信料(例:月額500円)もかなり押さえられるはずです。
また、ドラマや報道番組を作りたいのなら、一方はいっそのこと「民間放送」にすべきです。
スポンサーを付けずに公共性も保ちたいと思うのなら、有料放送にして独自性を打ち出せば良いのです。
イギリスのBBC放送のような質の高いドラマを作れば、お金を払っても契約したいと思う人は多いでしょう。
または、「公共放送」の形態を変えたくないのなら、見た番組だけを課金する「課金制」にしたらどうでしょうか?
ニュースなどの部分は基本的に「支払い必須、例えば基本料金月額300~500円」にして、それ以外の部分を課金制にするとか…
この「課金制」については、下記にあるように「BBC」に関するニュースが出ています。
BBCに関する興味深いニュース
BBCも国営放送ではなくNHK同様の公共放送ですが、先日興味深いニュースも見ました。
受信料制度廃止など、英国の公共放送BBCについてジョンソン政権が検討している改革案の詳細が明らかになった。
16日付の英日曜紙サンデー・タイムズが報じた。
ジョンソン首相は昨年12月の総選挙を前に、放送を視聴した分の料金を払う課金制への移行を検討すると表明していた。
出典元:「毎日新聞」
記事のネタ元になったジョンソン首相の「側近」によれば、官邸が想定するBBC改革案は以下である。
・受信料制度を廃止し、課金制を導入する
・BBCの61のラジオチャンネルの大部分を売却する
・テレビのチャンネル数(現行は10チャンネル)を減少させる
・BBCのウェブサイトの規模を縮小化する
・国際ラジオ放送「ワールドサービス」への投資を増やす
・BBCの著名スタッフが巨額の副業をすることを禁じる出典元:「東京経済 Online」
日本でもNHKの受信料問題が問題になっていますが、NHKよりも早い1920年代に開設したBBCも、国民の料金徴収に対しての抵抗は強いようです。
そこで、評判の悪い徴収制から、課金制へ移行するという案をジョンソン首相自ら積極的に進めていきたいという情報です。
NHKも同様に、仕組みをドラスティックに変えてしまえばいいのではないでしょうか?
これまでの旧態依然とした徴収制などの仕組みは、世の中の変化から取り残されているような気がするのですが…
そもそもNHKの存在意義とは何?
NHKの存在意義の前提と言われているのは、「放送法の第20条」だと言われています。
この中に、『協会は、中波放送と超短波放送とのいずれか及びテレビジョン放送がそれぞれあまねく全国において受信できるように措置をしなければならない』
要するに、全国どこでも(過疎地域でも離島でも)、情報が適切に受け取れるように、放送設備を整えることということです。
しかし、殆どの国民が見もしない、つまらない娯楽番組を含めて放送することに対しても存在意義があるのかというと、そうではないでしょう。
必要なニュースや天気予報、災害放送、報道番組のみを放送して、もっと規模を縮小しても上記の存在意義は成り立つのではないでしょうか?
大河ドラマや連続ドラマ、紅白歌合戦を茶の間に届けることに、存在意義は見いだせるのでしょうか?
こういう娯楽番組は、民放でも十分対応できるはずだからです。
そして、災害時に関して言えば、NHKのテレビ番組などよりも、ツイッターなどのSNSの方が、よっぽど存在価値を発揮できます。
水害などで家を流された人が、NHKのニュースなどを見れるのでしょうか?
ツイッターなどは、小さなスマホがあれば事足ります。
このような状況で、若者に対して公共放送としてのNHKの存在意義を訴えても、「じゃあ、ちゃんと受信料を払うよ」とはならないのではないでしょうか?
まとめ
NHKの受信料負担が全世帯対象になるのか?
テレビの有無にかかわらず負担を強制するのか?
このような問題に関しては、既に5年も前から議論されています。
今回日本経済新聞が報道したことで新たに注目されたのですが、5年も経っているので、議論という状況は通り越して既に決定事項なのかもしれません。
NHKは闇雲に料金を徴収することばかりに焦点を置かずに、自らの存在意義と徴収方法や金額の関連性や必要性を、もっと詳しく国民に説明すべきです。